「コロナ禍の外出自粛で認知症が悪化」というニュースをよく目にしますが、外出自粛でも認知症を防ぐ方法を、
15万部突破のベストセラー、医学博士の松原英多先生が書き下ろした
『健康長寿の医者が教える 人の名前が出てこなくなったときに読む本』(松原英多 著/KKロングセラーズ)からご紹介いたします。(以下、本文より引用)
★ 毛細血管を増やす五分程度の軽い筋トレと一五分のウォーキング
毛細血管はこれまでにもお話ししてきたとおり、超薄い壁に守られた、超細い血管です。
超薄い壁には、ハードな運動は厳禁です。物理的に強い力がかかれば、毛細血管はもろくも破れてしまうからです。
また、過度な運動は発ガン作用を持つフリーラジカルを大量発生させて逆効果という説もあります。
つまりは、怠け者運動的なソフトな運動を、一日数回、暇のあるときに行う。これが効果的なのです。
怠け者運動的なソフトな運動といわれても、漠然としてとらえどころがない。
ハーバード大学医学部やパリ大学医学部、事業構想大学院大学の根来秀行教授のお話です。
「毛細血管を増やすには、運動で血流をアップさせることが重要。
ただし、過度な運動はフリーラジカルを大量発生させて逆効果になる。
そこでおすすめは、五分位の軽い筋トレと一五分ウォーキングだ」と。
★ 脚を動かせば大量の血液が動き出し、全身に血液が届く
それも難しいようならば、こんな工夫はいかがでしょうか。
我々の体の血液循環は握りこぶし大の心臓ポンプに頼っています。
握りこぶし大の心臓ポンプは決して大型でない。しかし作業内容は非常に大きい。
人体の血管をつなぎ合わせると、地球を二回り半ほどの長さになるといいます。
距離的に言えば、東京を出発して、地球を二回り半で真反対の南米に血管の先が届くのです。
その長さの血管に、絶えず血液を送り続けることは、想像以上の大仕事です。
こうして考えてみると、こぶし大の心臓ポンプでは力不足が生じやすい。
でも、循環は一秒たりとも休むことは許されない。無理を承知で心臓ポンプを酷使します。
無理が続けば故障も起きる。心臓ポンプの故障は致命的です。
致命的故障が連発するならば、命がいくつあっても足りないでしょう。
こうした悲劇を回避するために、筋肉の援助軍が登場します。
筋肉が動けば、筋肉内の血管を、乳搾りと同じくしごきます。
そのしごき効果によって血液は送り出される。
かくして、心臓ポンプを助けながら、全身循環を可能としているのです。
循環の一部が分かったところで、次に進みましょう。筋肉を動かして、乳搾り循環を行う。
では、どの筋肉を動かせば、より大きな効率を生むのでしょうか。
基本は全身運動ですが、独断と偏見を交えて、私見を述べましょう。
主に動かしたいのは、脚です。
脚は体を支える必要上、大型の筋肉が付いています。
大型の筋肉には多数の血管が入り込んでいるのです。
つまり脚を動かせば、大量の血液が動きだし、循環が効率よく働き、全身に血液が届くわけです。