コロナ禍で認知症を発症させない!進行させない!

★ 簡単スクワットとつま先立ちで効果バツグン

次なる問題は、脚の運動法です。

毛細血管強化には、ふくらはぎの筋肉強化から始めましょう。

一五分程度のウオーキングがお勧めですが、忙しい方には毎日の一五分も難しい。

奇妙なことですが、「一日○回」との指定があると、ほぼ全員が申し合わせたように挫折します。

命令を出されたような気分になって、拒否反応が起きるのかもしれませんね。

いずれにしても、運動療法にとって、「一日○回」の指定・指示は禁句中の 禁句らしい。

 

そこで、簡単スクワットとつま先立ちを組み合わせた脚運動にします。

簡単スクワットは膝を曲げ伸ばしするだけ。

つま先立ちは、棚の荷物を取る要領で行います。

 

簡単スクワットとつま先立ちの組み合わせで、脚全体が動きます。

脚は大量の血液の貯蔵庫です。大量貯蔵庫が刺激されれば、全身循環も可能になるはずです。

また、つま先立ちは足の親指を強化しますから、運動の基本である歩行が非常にラクになります。

簡単スクワットもつま先立ちも、ソフト運動の筆頭です。

簡単スクワットとつま先立ちを繰り返せば、毛細血管も丈夫になり、脳を含めた全身循環も良好になる。

簡単にして効果バツグン。これぞ、簡単スクワットとつま先立ちの組み合わせです。

おまけに回数の指定はありません。何回でも結構。暇とチャンスのある度に行います。

簡単スクワット一〇回につま先立ちを一〇回の組み合わせは、時間的に見ると、なんと三〇秒。

ゆっくり行っても一分とかかりません。この組み合わせを、チャンスのある度に繰り返します。

 

認知症や糖尿病を含めて、簡単運動法の極意は

「可能な運動を、可能な時間帯に、可能な限り多く」です。となれば、

一日何回などの野暮な指示や指定は無用です。

 

手洗いの後や電車を待つ時間を利用するのも良いでしょう。

起床後のお目覚め運動でも良いし、お休み前のグッドスリープ運動でもOKです。

〔中略〕こんな簡単な運動で効果あるのか、と疑われる方もあるでしょう。

「信ずる者は救われる」し、「継続は力なり」です。

疑う前に、まず実行と継続。疑うだけで、なにもしなければ、

毛細血管の機能は低下し、循環も弱まります。そして名前も思い出せない。

次には、大きく口を開けた認知症にのみこまれるだけです。

時間も不要、労力も不要。これで名前忘却と認知症が予防できれば、試してみる価値は十二分にあります。

効果はいかにとか、理論はいかにとか、の文句や疑問は後にして、まずは実行と継続。忘れないでください。

 

いかがでしたでしょうか? 簡単スクワットも、つま先立ちも、15分程度のウォーキングも、自宅や人気のいない場所・時間帯で行えば、「密」をあまり気にせずできそうですね。ぜひチャレンジしてみてください!

〔KKロングセラーズOnline編集部〕

 


健康長寿の医者が教える 人の名前が出てこなくなったときに読む本

松原 英多/著 本体1,000円 ISBN:978-4-8454-5013-8

1 顔は覚えているが名前が出てこない!
2 名前が出なくなった時の脳内状態は大変!
3 まず脳細胞を活性化しよう
4 認知症にならないように食事で予防
5 血圧変動と糖尿病が脳血管性認知症につながる
6 危険因子の排除は若年から始めよう
7 大切なのは「強い意思と意欲」そして「実行と継続」
8 日常生活でできる脳活性化のための習慣
9 記憶力低下、名前忘れに有効なオキシトシン療法

 


著者について

松原英多(まつばら・えいた)

東京生まれ。

医学博士・内科医・日本東洋医学界専門医・良導絡学会専門医・エビス診療所院長。

東邦大学医学部卒業後、アメリカ・カナダに4年間遊学。

帰国後、母校で大脳生理学の研究・東洋医学・医学心理・催眠療法を学ぶ。

日本テレビ系列「おもいッきりテレビ」のホームドクターとして23年間にわたってレギュラー出演。

講演では、長年の経験と研究をもとに最新の医学情報を入れながら、

からだや脳の健康を積極的に守る身近で意外な方法と知恵をわかりやすく、楽しく語る。

また、これからの高齢化社会で一番心配される介護の問題や実際的な方法とコツ、

そして、ぼけや老化を防ぐ生活法を多くの方に伝えている。